どうしよう…入居者から壊れていない設備の交換を依頼された場合

2021年10月08日

こんにちは。
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もしも入居者から、まだ壊れていない使える設備を古くなったからという理由で「交換してほしい」と言われたら、どうすればいいのでしょうか。

入居者の満足度を上げるために、快く交換に応じるべきなのか?
費用もかかるうえに、まだ使えると理由で断ってもいいのか?

難しい判断ですよね。
そんな入居者からの要望にどう応えていいのかわからない、悩んだことがあるオーナー様に向けて、設備交換の義務や検討すべき状況、オーナー様がまずやるべきことなどをこの記事で紹介していきます。

ぜひ参考にしてみてください。

築年数の古い物件の設備交換を希望された場合

当然ですが、物件が古くなると設備の古さも同時に目立つようになってきます。
しかし、壊れているわけではなく、まだ使えるものであっても、最新の状態から性能が落ちてきていることは一目瞭然です。

明らかな故障が見て取れる場合は、交換もやむをえないですが、難しいのが「設備が古くなって気になるので、交換してほしい」という要望です。

こんなときは、どう対応すべきなのでしょうか。

基本的にオーナーに交換する義務はない

結論からいいますと、「古いから」という理由だけで、オーナーが設備を交換する必要はありません。

その理由や交換すべき状況などについて紹介していきたいと思います。

故障していない場合は義務ではない

賃貸物件は、築年数や設備などのグレードに合わせて家賃を設定しています。
入居者は、それを承知して賃貸契約を結んでいるものとされます。

そのため、グレードを上げるためと捉えられる設備交換に応じる必要はありません。

しかし、設備交換を断ることで入居者とわだかまりができて、退去につながってしまうリスクがあります。
物件の立地がよいなど入居希望者が絶えないような人気物件ならば問題はないですが、そうではない場合、設備を一新して入居者の満足度を上げるのもひとつの手段です。

とくに長期契約中の入居者の希望には、慎重に対応すべきです。

新品に交換するのはどういう状況か

入居者の満足度を高めるためといっても、設置から5、6年で交換するのは現実的ではありません。
では、どれくらいのタイミングで設備交換すべきなのでしょうか。

一般的に住宅設備は2~3年で不具合が出始めて、10年を目安に故障が増えてくるといわれています。
交換時期としては、15~25年が目安ですが、10年が経過して故障すると修理するための部品がないという理由で交換しか方法がなくなることがあります。

そのため、設置から10年以上経過している設備に関しては、故障する前に新品への交換を検討してもいいかもしれません。

あと年数に関係なく、メンテナンスをしてもエアコンの効きが悪い場合や、エアコンや給湯器の劣化により電気代やガス代がとんでもなく高額になる場合は、交換が必要になります。

新品に交換することになった場合

入居者の希望に応えて、設置から10年以上が経過していることもありエアコンを交換するとします。

この場合、新しく設置するエアコンはどのようなものにすればいいのか?
悩みますよね。
だいたいの費用相場も踏まえて把握しておきましょう。

費用対効果を踏まえて選ぼう

設備交換の希望に応えるにしても、型式やスペックの要望まで受け入れる必要はありません。
あくまでも賃貸物件なので、一般的なグレードのもので十分です。
家賃設定や部屋の広さに応じて、グレードを選ぶようにしましょう。

グレードの高いものを新しく設置する場合は、家賃設定を上げてもいいかもしれません。

入居者の満足度を高めるためでも、設備の交換は費用対効果を考慮しておこなうようにしましょう。

設置工事の費用相場は?

たとえばエアコンの設置費用であれば、14畳までの広さであれば1万円前後が目安といわれています。
ほかに物件の環境によって価格が変わり、2階以上の階でベランダがない場合などは、室外機の壁掛け工事が必要になります。

足場の有無や屋外に設置する場合に配管の劣化を防ぐために配管カバーを取り付けるかどうかでも価格は変わります。

さらに電圧を切り替えたり、ブレーカーを交換しなければいけない場合は、さらに費用が必要になります。

撤去の費用相場は?

既存のエアコンを取り外す場合、エアコンを解体して分別して再利用するためのリサイクルにかかる費用が数千円ですが発生します。
エアコンの取り外しは、大体5千円前後といわれています。

撤去も設置と同じで物件の環境によって追加費用が必要になる場合があります。

また、故障したエアコンは、冷媒ガスを内部に閉じ込めるポンプダウンができないことから、取り外しの際に残ったガスを回収する作業をしなければなりません。
それにも、数千円から1万円程度追加でかかることがあると覚えておきましょう。

設備交換時のあるあるQ&A

ここからは、設備交換の際によくある疑問について答えていきます。

① 退去した入居者が残したものだった場合、交換する?撤去費用の負担先は?

残置物の交換については、入居時にどこまで説明してあるかによって異なってきます。
貸主側が、修理や交換の対象ではないものとしていることを伝えているのであれば、交換の義務はありません。撤去費用の負担も入居者側になります。
残置物については、事前にしっかりと説明しておかないと、トラブルのもとになってしまう可能性が高いです。

② 入居者負担で設備を交換するとき、オーナーがすべきことはある?

もしも入居者が自己負担で設備を交換したいと申し出したら、オーナーがすべきことは「重要事項説明書」の確認です。
現状、その設備がどういった扱いなのか、修理・交換は借主・貸主どちらが負担するようになっているのかを確認しましょう。

設置してから10年以上が経過しているなど、タイミングによってはオーナー側負担で交換した方がいい場合もあります。

入居者負担で設置した設備があると、後々トラブルの原因になることもあります。
退去後の設備の扱いについてもしっかりと書面を交わしておくことをおすすめします。

③ 新品に交換した設備は退去時の原状回復費は発生するのか?

原状回復とは、「状態を元通りにする」と思っている人も多いかもしれませんが、実際は…

「賃貸借の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃貸借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(以下「損耗等」という。)を復旧すること」

新品のエアコンは建物の価値を下げるものではないので、入居者には原状回復の義務は発生しません。ただし、入居者が退去の際にエアコンを外して持ち帰る場合は、取り外した既存のエアコンをもとに戻す設置費用を負担してもらう必要があります。

これらの費用負担についても、書面を交わしておきましょう

④ 住宅設備の交換は保険が適用できる?

落雷や台風といった自然災害の影響で、エアコン室外機や給湯器が故障した場合、交換に火災保険を適用することができます。

あくまでも災害による故障が対象となります。
入居者が家財保険や個人賠償責任保険に加入していたら、入居者の不注意などによる設備の破損や汚損による交換にも保険が適用されますが、老朽化や経年劣化による故障は基本的に保険適用外です。

まとめ

建物が古くなってくると、入居者から壊れていない設備の交換を希望する声も出てくると思います。
そんなときに、どういう対応がベストなのかを判断しなければなりません。
そんなときに、この記事が参考になれば幸いです。

このコラムがお役に立てば幸いです。
以上、建物修繕・メンテナンスのウィズライフ株式会社でした。

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