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マンション・アパートの屋上防水について詳しくなろう!
2021年06月25日
こんにちは。
大切な資産を守り、未来につなげる、建物修繕・メンテナンスのウィズライフがお届けします。
屋上防水についてどこまで知っていますでしょうか?
屋上防水とひとくちにいってもいろいろな種類があるのです。
一般的な工事でも4種類もあり、ウレタン防水、シート防水、FRP防水、アスファルト防水となります。
それぞれ耐用年数など特徴が異なります。
屋上防水は、建物全体を守るための重要な役割を果たしています。
そのため、メンテナンスを怠ってしまうと想定外に建物各所へ悪影響を及ぼす可能性があります。
屋上防水によって施工される防水層が、建物の耐久性を維持しています。
この防水層が劣化してしまうと雨漏りなどの劣化症状が発生して、建物全体の劣化につながってしまい修繕費用もかさんでしまいます。
定期的な屋上防水によるメンテナンスが、建物自体を長持ちさせるために、とても重要になります。
そのため、いつかのマンション・アパートの屋上防水の日のために、少しでも防水工事のことを把握しておきましょう。
ということで、この記事では屋上防水について詳しく紹介していきたいと思います。
ぜひ最後まで読んでみてください。
【目次】
●屋上防水の特徴について
●まとめ
屋上防水の特徴について
防水工事は、少し先述したように一般的には4種類あり、特徴がそれぞれ異なります。
耐用年数なども違いがあり、建物の立地や天候により、防水効果も変わってきます。
そのため、定期的に見回りなど点検をおこない、不具合が発生していないか確認をすることが大切です。
その際、確認するポイントが3つありますので、紹介します。
・排水の状況…水はけが悪い
・雑草の有無…根が張り防水シートを破壊する可能性
・防水シートの劣化…風雨によって剥がれが発生していないか
これらが確認できた場合は、耐用年数以内であったとしても関係なく防水工事が必要なケースも考えられます。
ここからは、防水工事の種類別にみていきましょう。
ウレタン防水
耐用年数は、10~12年程度といわれており、液状の防水材を塗って防水層を形成していきます。
そんなウレタン防水には、工法が2種類あります。
それは「密着工法」と「通気緩衝工法」です。
密着工法は、下地の上にウレタン防水材を直接塗り、メッシュ素材の補強布を貼り、その上からウレタン防水材をさらに塗り重ねて所定の厚さに仕上げます。
通気緩衝工法は、溝のある通気緩衝シートを貼り付け、その上からウレタン防水材を塗布する工法です。
ウレタン防水は、液状なので複雑な形状にも簡単に施工することが可能です。
マンションの屋上などの障害物が多い場所での施工に向いています。
メリットとしては、既存の防水層を撤去しなくても施工可能な工法であるため、廃材が出ません。
デメリットとしては、亀裂に弱いという点があるので耐久性には少し不安を覚えますが、定期的なメンテナンスをおこなうことで解消することができます。
そのため、ウレタン防水は、屋上防水工事で一般的に最も多く用いられている防水工事です。
シート防水
シート防水の耐用年数は、10~15年程度といわれています。
シート防水は、ゴム製のシートや塩化ビニールシートを接着剤もしくは機械的に固定します。
シート防水も工法が2種類あります。
まずは、接着工法です。
この工法は、下地もしくはシートの裏面に接着剤を塗り、貼り付ける工法です。
もうひとつは、機械的固定工法です。
こちらは、接着工法と違い下地に直接ではなく、緩衝材を介して、鋼板やビスで防水層を機械的に固定する工法です。
シート防水のメリットは、施工期間が短く、メンテナンスがほとんど不要なのでコストが抑えられるという点です。
既存の防水層の上から施工することができるので期間が短く、シート自体の耐久性が高いということがメリットですが、シートなので剥がれるおそれがあることが最大のデメリットでしょう。
あと素材がシートなので、凹凸のある形状には施工が難しいです。
そのため、シート防水は障害物や凹凸のない広大なマンションの屋上に向いているといえます。
FRP防水
FRP防水の耐用年数は、10~12年程度といわれています。
FRP防水は、ガラス繊維製の補強されたプラスチックにポリエステル樹脂を組み合わせて塗っていく工法です。
軽量なので建物への負担が少なく、プラスチックなので腐食しにくく長持ちです。
そのうえ、ポリエステルと組み合わせているため摩擦に強く、温度変化へも対応し、紫外線による劣化も少ないといったように、メリットがたくさんあります。
逆にデメリットは、伸縮性に弱く、地震などの大きな揺れが起こると割れやすいという点です。
機能面で優れているためコストがかかるのですが、荷重を抑えるメリットから、高層マンションに採用されることが多いです。
アスファルト防水
アスファルト防水は、4種類の中で耐用年数が最も長く15~25年程度といわれており、ルーフィングといわれているアスファルトを浸透させた合成繊維のシートを重ねて貼り、防水層を形成します。
そして、その上からコンクリートで保護します。
そんなアスファルト防水には、3つの工法があります。
それぞれどのようなものか見ていきましょう。
熱工法は、アスファルト溶融釜で溶かしたアスファルトとルーフィングシートを交互に重ねて防水層を作ります。
次にトーチ工法です。
トーチ工法は、改質アスファルトを加工したルーフィングシートを、トーチバーナーで炙り溶かし、加工面に密着させることで防水層を形成する工法です。
最後に常温工法です。
その名の通り、常温でおこなう工法で、またの名を冷工法ともいわれています。
裏面に粘着装を加工した改質アスファルトルーフィングシートを貼り重ねて防水層を形成します。
アスファルト防水は、古くからある工法で、現在も信頼性が高い工法であります。
防水性・耐久性ともに高いというメリットがあるのですが、アスファルトを溶融する際に発生する煙やニオイがデメリットといえます。
まとめ
屋上防水は、種類によって特徴がさまざまです。
マンションの形状などによって採用する種類も変わってくるでしょう。
それぞれにメリット・デメリットがあるのですが、どの種類も大切なのは定期的な見回り、その際に異変に気づいたら早急に対応すること、この2つが建物と防水効果の両方を長持ちさせることになるでしょう。
このコラムがお役に立てば幸いです。
以上、建物修繕・メンテナンスのウィズライフ株式会社でした。
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