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家賃滞納に迷惑行為、トラブル続きの入居者を強制退去させることはできるのか?

2021年11月19日

こんにちは。
大切な資産を守り、未来につなげる、建物修繕・メンテナンスのウィズライフがお届けします。

賃貸物件のオーナー様にとっての一番の悩みといえば、空室だと思います。
そんな空室を無くしたいといっても、トラブルを次々に引き起こすトラブルメーカーな入居者は勘弁願いたいものですよね。

しかし、入居者がトラブルメーカーかどうかを入居前に判断することは非常に困難です。
では、もしも入居者がトラブルメーカーとわかった場合、退去させるにはどうすればいいのでしょうか?

ということで今回は、現在、このようなトラブルメーカーに退去してもらいたいけど、どうすればいいのかわからず困っているというオーナー様に向けて、どんな時に強制退去が求められるのか、実際に強制退去をしてもらうための手順はどういった流れなのか、について説明していきたいと思います。

トラブルメーカーな入居者に困っていませんか?

空室が発生していないから満足だけど、次々にトラブルを引き起こすトラブルメーカーな入居者に悩まされているというオーナー様も少なくないのではないでしょうか。

まず、入居者が起こすトラブルには、家賃滞納、ペット禁止物件でのペットの飼育、悪臭、騒音など、さまざまなものがあります。

トラブルが発生した際、オーナー様や管理会社から注意をしてトラブルが再発しないのであれば、一時的なトラブルとして終わります。
しかし、再三の注意にもかかわらず次々にトラブルを引き起こすトラブルメーカーがいると、他の入居者の生活にも支障がでて、退去者が増えるおそれがあります。

そこで覚えておいてほしいのが、このような最悪の事態を避けるために、オーナー様は、トラブルを起こし続ける入居者に対して、場合によっては賃貸借契約の解除や強制退去を求めることができるということです。

強制退去とは、訴訟によって入居者に対し、強制的に退去をさせる勧告のことをいいます。

しかし、トラブルが発生したからといって、すぐさま賃貸借契約を解除したり、訴訟を起こしたりすることはできません。

手順を無視して、賃貸借契約の解除や強制退去を実行すると、反対にオーナー様が罪に問われてしまう可能性もあるので注意してください。

では、どんな時に、どのような手順をふめば賃貸借契約の解除や強制退去を実行できるのかについて説明していきます。

解除と解約は違う?

賃貸借契約の解除や強制退去の手順を説明する前に、解除と解約の違いについて説明したいと思います。

まず、解除と解約はあまり明確に区別されずに使われているのが実情です。
しかし、解除と解約にはしっかりと意味の違いがあります。

▪解除
法律で、契約当事者の一方の意思表示によって、成立している契約を初めからなかったものとすること。

▪解約
賃貸借や雇用などの継続的な契約を、当事者の一方の意思表示により、将来に向かって消滅させること。

賃貸借契約における権利緩解などを定めている民法の特別法である借地借家法では、入居者である借家人保護の立場に立っています。

そのため、オーナー様からの中途解約は、やむをえない事情がない限りおこなえないということです。
結果、オーナー様が民法に基づき、賃貸借契約を解除する権利を行使できるのは、トラブルの程度が著しくひどいケースといえます。

どんな時に強制退去させることができるか

どんな時に強制退去を求めることができるのか、各トラブルの種類ごとに説明していきます。
どんなトラブルでも、発生したからといってすぐに賃貸借契約の解除や強制退去を求めることができない点は同じです。

騒音

毎日のように騒音が生じると、他の入居者の迷惑になり生活に支障がでてきます。
騒音は、入居後のトラブルで一番多いトラブルといわれています。

騒音の主な原因としては、大声や大音量の音楽、ペットの鳴き声など、さまざまなものがあります。

オーナー様が騒音を発生させている入居者に、口頭や書面で注意を繰り返した結果、素直に従ってくれるのであれば問題ありません。

しかし、何度注意したにもかかわらず、騒音が収まらず、他の入居者からのクレームも増え、オーナー様とトラブル元である入居者との間の信頼関係が破綻したのであれば、強制退去の手続きに移れる可能性は高いです。

家賃滞納

家賃滞納は、賃貸経営の収支に大きな影響を与えます。
しかし、家賃滞納も1、2ヵ月程度の滞納であれば強制退去を実行することはできません。

まずは、家賃の支払いをしてもらうように口頭や文書で求める必要があります。
支払い要求をし続けてもなお、家賃滞納が解消されない場合は、内容証明郵便で「期日までに支払いをしてもらえない場合には、賃貸借契約の解除をおこなう」という内容の書面を送ります。

そして、記載の期日までに、家賃滞納が解消されなかった場合にようやく強制退去を求める訴訟を起こすことができます。

異臭・悪臭

室内にゴミを放置して不衛生な状態であったり、ペットの飼育状態が悪かったりといった理由で、部屋から異臭や悪臭が放たれているというトラブルもあります。

異臭や悪臭は、他の入居者の生活や健康に支障をもたらすおそれがあるため、退去者を増やす大きな原因となります。

入居者には、賃貸物件をキレイに使用する善管注意義務があります。
しかし、異臭や悪臭がするからといって、すぐさま賃貸借契約を解除することは、やはりできません。

まずは、清掃をするように口頭または書面で入居者に促さなければなりません。
結果、異臭や悪臭が収まらず、退去者が増えるなど損失が発生して、オーナー様と異臭悪臭元の入居者との信頼関係が破綻した場合、強制退去の手続きに移れる可能性が高いです。

無断転貸

無断転貸とは、入居者がオーナー様に無断で第三者に部屋を貸している状態といいます。
無断転貸は、民法上での規定違反になるので、オーナー様は賃貸借契約を解除することができるとされています。

しかし、過去の判例によると実際に解除が認められるケースは、無断転貸によってオーナー様と入居者の信頼関係が破綻した場合です。

無断転貸をしたとしても、家賃がしっかりと支払われているのであれば問題ないとするオーナー様もいらっしゃいます。
一時的に転貸している相手が入居者の親族などであれば、そこまで問題にすることではないかもしれません。

ただし、無断転貸された相手が反社会勢力であるなど、他の入居者の生活に支障が出る人である場合は問題になる可能性が高いです。

そのため、無断転貸がわかったときに、無断転貸された相手によってオーナー様と入居者の信頼関係が破綻した状態と考えられるのなら、強制退去の手続きに移ることができる可能性が高いです。

強制退去の注意点と手順

まず、強制退去の注意点を説明します。
トラブルの発生が判明したからといって、すぐに強制退去を求めることはできません。

そのため、トラブルを起こしたからといって入居者を部屋に入れないようにしたり、家財を勝手に処分したりと、いきなり強硬手段にでた場合、オーナー様が罪に問われてしまう可能性があります。

強制退去を求めるには、以下のような正しい手順を踏まなければなりません。

1. 注意および勧告
まずは、生じているトラブルに対して貼り紙をするなど、入居者全体に改めて賃貸物件のルールを徹底するように周知する必要があります。

そのうえで、ルールを守らない方には、口頭や書面で繰り返し注意をおこないます。

2. 内容証明郵便による勧告
再三の注意および勧告をおこなっても、トラブルの解消ができない場合は、内容証明郵便で「期日までにトラブルを解消できないのであれば、賃貸借契約の解除をおこなう」という旨の内容を記載した書面を送ります。

3. 契約解除
内容証明郵便での勧告をしたにもかかわらず、期日までにトラブル解消をしなかった場合、賃貸借契約の解除の法的効果が発生します。

4. 明渡請求訴訟
賃貸借契約の解除をおこなった後、明け渡し請求の訴訟提起をおこないます。
裁判が始まる前に、和解調停をおこなえます。
和解が成立しなかった場合、裁判によって判決が下されることになります。

明渡請求訴訟で入居者の強制退去が認められると、裁判所の執行官によって入居者を強制的に退去させます。
入居者と同居している家族などがいる可能性も考えられますが、強制退去になります。

強制退去の際、家財も強制的に撤去され倉庫などで保管されることになります。

強制退去にうつるか迷ったら管理会社に相談しよう

ここまで説明してきたように、強制退去にうつるまでにはかなりの時間を必要とします。
さらに場合によっては、費用も数十万円かかる可能性もあります。

そんな時間と費用をかけて強制退去を求めることが適切かどうか迷うこともあると思います。
その際は、管理会社か弁護士に相談することをおすすめします。

もちろん、強制退去にうつる前段階として、トラブルメーカーである入居者と話し合いをして、トラブル解消に努めることもオーナー様として大切です。

その話し合いの経過を記録しておくと、管理会社や弁護士に相談するときに役に立ちますので、おすすめです。

入居者のトラブルを防止するためにオーナー様ができること

トラブルメーカーとなる入居者を未然に防ぐために、オーナー様にできることがあります。
それは、賃貸借契約書に賃貸物件における禁止事項を明確に記載しておくことです。

普通に考えたらわかるだろうという思い込みをしないようにしましょう。
どんなことでも明確にしっかりと禁止だと記しておくことをおすすめします。

あと、入居審査を厳しくするという方法もあります。
入居審査を厳しくすることで空室リスクの懸念につながる可能性もあるのですが、入居者がトラブルメーカーであれば、対応の手間や空室につながるリスクがこちらの方が高くなります。

まとめ

入居者がトラブルを起こす可能性は、どの賃貸物件であってもゼロではありません。
トラブルばかりが起こる物件に住み続けたいと考える人は、まずいないでしょう。

入居者が安心して快適に生活できる環境を整えるのもオーナー様の役割なので、トラブルを起こさないためにできること、起こってしまった場合にできることや手順をしっかりと把握しておきましょう。

このコラムがお役に立てば幸いです。
以上、建物修繕・メンテナンスのウィズライフ株式会社でした。

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