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賃貸物件でのベランダ喫煙!吸える?トラブル?喫煙者減、禁煙場所増、テレワーク増などが原因か。

2022年06月17日

こんにちは。
大切な資産を守り、未来につながる、建物修繕・メンテナンスのウィズライフがお届けします。

最近、人が多く集まる都市の中心地のほとんどは、禁煙になっています。
このように喫煙マナーの徹底が進み、吸える場所が少なくなるならとタバコをやめる方が増えています。

受動喫煙が及ぼす健康への被害が問題視されていることで、喫煙者と非喫煙者とのトラブルも見られるようになりました。

それは、住宅でも同様で、ベランダ喫煙などのタバコに関するトラブルも発生しており、中には裁判にまで発展してしまうケースもあります。

喫煙者も煙に配慮してベランダでタバコを吸うことが、集合住宅などではトラブルに発展してしまいます。

今回は、そんなベランダ喫煙でのトラブルを心配している大家さんに向けて、トラブル防止方法やクレーム対応などについて詳しく説明していきたいと思います。

【目次】
・ベランダ喫煙でのトラブルが増加?
・賃貸物件でベランダ喫煙を禁止にできるのか?
・全館禁煙のメリット・デメリット
・ベランダ喫煙による苦情がでたら
・まとめ

ベランダ喫煙でのトラブルが増加?

日本国民の喫煙者の割合は、減少傾向にあり令和元年の調査によりますと、男性が30%未満で女性では10%を切っています。

喫煙者減少に伴い、喫煙マナーへの意識がさらに高まり、喫煙マナーは「喫煙ルール」と名称が変更されました。

この喫煙ルールの代表的なもののひとつとして、ベランダ喫煙が注意喚起されています。

このベランダ喫煙については、受動喫煙の苦情が多く寄せられており、ご近所トラブルを引き起こす原因になっています。
喫煙者がタバコを吸える場所がどんどん少なくなっている中で、プライベートな空間であるベランダならとベランダ喫煙をする方が増加しているみたいです。

在宅勤務が増加によりベランダ喫煙が問題視

新型コロナ感染症の大流行により、在宅勤務をする方が確実に増えました。
それに伴い、ベランダ喫煙への苦情も増えていきました。

その証拠にSNSへの受動喫煙の影響を不安がる投稿が増えています。
そのため、喫煙ルールに関する法的規制が議論されているのも納得できます。

ベランダ喫煙は違法なのか?

喫煙ルールを決めて場所による喫煙を禁止する法令は、地方自治体が条例を定めるケースがあります。

たとえば、東京都受動喫煙防止条例では、「教育施設・児童福祉施設」「病院・診療所」「行政機関の庁舎」「バス・タクシー・航空機」や2人以上が利用する施設が条例の対象となっていますが、ベランダ喫煙の現場となる集合住宅は対象外です。

分譲マンションで管理規約によりベランダ喫煙が禁止されているところもありますが、法律で禁止することは難しいです。

賃貸マンションの場合は、住戸を大家さんが所有しているため、入居者は法律上あくまで「賃借人」という立場なので、分譲マンションよりも厳しい規制を設定することができます。

賃貸物件でベランダ喫煙を禁止にできるのか?

ここからは、賃貸マンションでベランダ喫煙を禁止にできるかどうかについて説明していきます。

在宅勤務が増え、家にいる時間が長くなった現在、ベランダ喫煙によるトラブルが増えてきているため、大家さんや管理会社にとって重要な問題になっています。

ベランダの使用方法は入居者に委ねられている

ベランダは賃借人が使用できる住戸に付属するスペースですが、分譲マンションでは、専用使用権のある共用部分となります。

賃貸マンションにおいての使用権も同様の考え方をするため、ベランダの使用方法は入居者に委ねられることになります。

しかし、使用権は入居者ですが所有権はもちろん大家さんにあり、入居者は善管注意義務に基づいた使用をしなければなりません。

善管注意義務とは、善良なる管理者に払うべき注意義務の略であり、より慎重に注意を払う義務を負うことをいいます。

さらに集合住宅では、ほかの入居者の迷惑になる行為を賃貸借契約上で禁止されていることが多いです。
つまり、ベランダ喫煙による受動喫煙も状況によっては迷惑行為になる可能性はあります。

ベランダ喫煙による受動喫煙は、過去に被害を受けた原告が勝訴した判例もありますが、すべての喫煙ケースが不法行為に該当するとは限りません。

ベランダ喫煙トラブルの予防法

ベランダ喫煙のトラブルを避けるためには、禁止事項として賃貸借契約書に明記することで、どこまでが迷惑行為でありどこまでは許容範囲なのかが曖昧ではなくなります。

ただし、禁止行為を無視するケースもありえるので、入居時にアナウンスすることを徹底しなければなりません。

さらに、タバコの煙によるトラブルはベランダ喫煙だけにとどまらず、換気扇の排気口から屋外にでた煙が、上の階の住戸の給気口から室内に入り込むことでトラブルになることもあります。

室内での喫煙についてルールを設定するのなら、全館禁煙という選択肢もあります。

全館禁煙のメリット・デメリット

禁煙施設がどんどん増えている現在、受動喫煙防止条例を制定している地方自治体も増えています。

集合住宅も例外ではなく、全館禁煙を実施している賃貸マンションも増えてきています。
この全館禁煙には、メリットもデメリットもあるので、それらを紹介していきます。

全館禁煙にするメリット3つ

・喫煙者が入居しなくなるので、タバコによるトラブルがなくなる。
・室内の汚れの原因がひとつ減るため、原状回復費用が抑えられる。
・火災事故のリスクが減る。

全館禁煙にするデメリット1つ

・喫煙者が入居対象者でなくなる可能性が高く、満室経営が難しくなる。

とはいえ、全館禁煙のマンションはまだまだ少なく、相対的に禁煙物件を求める声は多いので、禁煙による入居者の減少はそこまで影響がないかもしれません。

また、これから禁煙物件の需要が増えると禁煙が基準となり、禁煙により経営が不利になることは少なくなる可能性があります。

加熱式タバコはどうする?

禁煙を議論するにあたり、必ず議題にあがるのが「加熱式タバコ」の扱いをどうするかについてです。
加熱式タバコは、通常の紙タバコよりも煙やにおいが少なく、健康に対しても害が少なく感じるので、紙タバコと同様の対処でいいのかと議論されることがあるのですが、実際はどれくらい健康上の影響が少ないかは明らかになっていません。

そのため、全館禁煙とする場合は、加熱式タバコも禁止とするほうが無難だといえます。

ベランダ喫煙による苦情がでたら

ここからは、ベランダ喫煙による苦情が発生した場合、大家さんはどのような対応をすべきか説明していきます。

○段階を踏みながら対応する

大家さんが対応する場合は、段階を踏みながらおこなうことが大切です。

1. 掲示やチラシを利用して周知する
入居者から喫煙についての苦情がでた場合、まずはすべての入居者に周知しましょう。

共用部に掲示板などがあれば、喫煙ルールに関する文書を貼り、各戸にもルールの順守を呼びかけるチラシを配りましょう。

しかし、ルールを守らない喫煙者に効果がない可能性もあるので、苦情をつげてきた入居者に改善が見られたかの確認を忘れずおこなうようにしてください。

改善が見られないのであれば、文書による注意を繰り返しましょう。

2. 苦情原因の入居者に直接注意
文書による注意で効果が表れなかった場合、苦情の原因となったと思われる入居者に直接注意をしてみましょう。

しかし、原因である喫煙者と確定できる場合と強い疑いはあるが確定できない場合があるので、決めつけてかかるのではなく、やさしくベランダ喫煙について聞いてみましょう。

確定できた場合は、迷惑に感じている入居者がいることを伝えて、文書による注意とルールを守るよう促しましょう。

3. 警告する
直接注意しても改善が見られなかった場合、文書による改善申し入れを再度おこないましょう。
民事訴訟を念頭に、配達証明付きの内容証明郵便で警告することを検討しましょう。
ただし、民事訴訟は被害を受けている入居者本人からの訴えでなければなりません。

そのため、苦情をつげた入居者の意思を確認しておくことが大切です。

このような苦情・クレームを放置するのは問題になります。
建物を所有・管理する立伊庭の大家さんは、入居者が快適な暮らしを送れるようにする義務があります。

そのため、苦情・クレームを放置することは、大家さんの債務不履行として民事訴訟に発展するおそれがあるので、注意しましょう。

管理会社を頼る

これら上記の対応を大家さん自らでなく、管理会社がおこなうケースもあります。
トラブルの原因である入居者に対して、大家さんと管理会社のどちらからの注意に効果があるのかを見極めましょう。

管理会社からの注意が効果的なケースが4つあるので、確認していきましょう。

1. 大家さんが女性・高齢者の場合
2. 本業があり時間が確保できない
3. 交渉や説得が苦手な場合
4. 物件が遠い場合

管理会社にまかせる場合、冷静に対応することが可能なので、感情的な反発を避けることができます。
文書での注意も同様で、論理的かつビジネス文書的であるため、感情的な反発が起きにくいです。

内容証明郵便を送る際も、大家さん個人からよりも受け取りやすいと思われることが多く、トラブル解決しやすいとされています。

まとめ

在宅勤務という新しい働き方によって、問題が大きくなってきたベランダ喫煙トラブル。
喫煙者そのものが減少しているので、徐々になくなってくる問題ではあるのですが、大家さんからするとまだまだ悩みの種です。

法律による規制は難しいですが、賃貸借契約におけるルールとして、入居者に意識付けをすることはおすすめです。

残念ながらトラブルに発展してしまったら、大家さん自ら対応するか管理会社にまかせるか判断して、冷静な対応によりトラブルを解決しましょう。
そして、快適で居心地のよい物件だと思ってもらうように頑張りましょう。

このコラムがお役に立てば幸いです。
以上、建物修繕・メンテナンスのウィズライフ株式会社でした。

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