賃借人が盗難被害に!オーナーの賠償責任やいかに!?

2022年07月15日

こんにちは。
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もしも賃借人が空き巣による盗難被害に遭ったら、防犯設備の不備を理由にオーナーが責任を追及された場合、どう対処すればいいのでしょうか。

盗難被害は賃借人の自己責任でもあるのですが、オーナーが責任を負う可能性もあるので、弁護士に相談しながら対応しましょう。

この記事では、賃借人の盗難被害により、オーナーが法的責任を負う必要があるのか詳しく説明していきます。

【目次】
●オーナーが原則盗難被害の責任を負わない
●オーナーが損害賠償責任を負うケース
○オーナーが盗難被害の責任を負うとの特約がある場合
○充実した防犯設備と宣伝して入居者を誘った
○防犯設備の充実を理由に賃料を高く設定している
○前の住人が退去したときに鍵の交換をしなかった
○同じ手口の盗難事件が繰り返し起きている
●盗難などでの入居者とのトラブルは弁護士に相談

オーナーが原則盗難被害の責任を負わない

賃貸物件において盗難被害を受けた賃借人が、オーナーに対して損害賠償請求をしてくる場合があります。

しかし、過去の判例でもオーナーが賃借人の財産を盗難などから守る管理義務は、賃貸借契約から当然導かれるものではないとされています。

したがって、オーナーに対して盗難被害の補償を求める賃借人の主張は、法的根拠がない場合が多いです。

仮に物件の防犯設備に不備があっても、オーナーが盗難を防止する管理義務を負わないのなら、賃借人への損害賠償義務はありません。

ただし、例外でオーナーが盗難被害の補償義務を負うこともあるので、法的検討をすることが大切です。

オーナーが損害賠償責任を負うケース

一般的に、賃貸物件で賃借人に発生した盗難被害について、オーナーに補償義務はありません。

しかし、契約内容や契約締結時のやり取りなど照合して、特段の事情がある場合、例外的にオーナーが補償義務を負う可能性があります。

具体的にどのような場合に損害賠償責任を負うのか見ていきましょう。

オーナーが盗難被害の責任を負うとの特約がある

盗難被害により賃借人の財産に損害がでたとき、オーナーがその損害を補償するとの特約がある場合、その特約は有効になります。

そのため、その旨の特約がある場合、オーナーが盗難被害の補償責任を負う可能性があります。
なお、オーナーの補償責任の範囲は、契約内容によって決まります。

賃借人の過失の程度によりオーナーの責任負担の有無が決められる場合が多いです。

充実した防犯設備と宣伝して入居者を誘った

防犯設備が充実している物件だと強調して入居を勧誘した場合、「充実した防犯設備を整えること」がオーナーの義務と捉えられる可能性があります。

そして、防犯設備の不備が盗難被害発生の原因ならば、オーナーから賃借人に対して一定の責任を負わねばならなくなるので注意しましょう。

防犯設備の充実を理由に賃料を高くしている

先述した防犯設備の充実を理由に入居者を勧誘する以外に防犯設備を充実させていることを理由に賃料を高くしている場合、オーナーの防犯設備を整備する義務を負う可能性が高くなります。

オーナーが賃借人のために防犯設備を整える義務を負うかは、契約内容や契約締結時のやり取りによって変わるためしっかりと把握しておきましょう。

前の住人が退去したときに鍵の交換をしなかった

前の住人が退去したタイミングで居室の鍵を交換せずにそのままにしていた場合、前の住人が合鍵で侵入して窃盗をする可能性があります。

このような事態を防ぐために、賃借人が入れ替わるときには鍵を交換するのが基本です。

オーナーは、賃借人に対する信義則上の義務の一環として、オーナーの責任で入居前の鍵の交換をおこなう必要があると認定される可能性があります。

そのため、鍵を交換しておらず合鍵での侵入により盗難被害が発生した場合、オーナーが損害賠償責任を負う可能性があるので、しっかりと鍵の交換をしておきましょう。

同じ手口の盗難事件が繰り返し起きている

同じ手口の盗難事件が繰り返し発生している場合、オーナーは賃借人に対して同様の手口の犯罪を防ぐために何らかの対応をとる信義則上の義務を負うと考えられています。

入居者から何度も窃盗などの報告がある場合、再犯防止と真摯に向き合ってください。

盗難などでの入居者とのトラブルは弁護士に相談

盗難被害などで入居者とトラブルに発展してしまった場合、入居者の主張をしっかりと精査して、裁判などに発展したときを見据えながら対応するようにしましょう。

賃貸借契約締結当時のやり取りなどのも重要な意味を持つことがあります。
そのため、賃貸借に関する周辺事情などもれなく精査をおこない対応しましょう。

弁護士に相談することで、専門的な観点から賃貸借契約のチェックや法的検討をして、合理的に紛争解決を進めてくれますので、弁護士に相談することをおすすめします。

このコラムがお役に立てば幸いです。
以上、建物修繕・メンテナンスのウィズライフ株式会社でした。

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